[木頭・釜炒り茶(かまいりちゃ)] むかしながらの、いにしえのお茶 ■木頭釜炒り茶とは 標高400〜1000メートルにある谷あいの里、木頭。雨と朝夕の霧が多く、霜が少ないというお茶に恵まれた環境のこの村では、古くから釜で炒り天日で干す釜炒り茶が日常のお茶として飲まれていました。江戸後期には全国的に名の知れた木頭杉と並び、この地で作られる釜炒り茶は『木頭茶』と呼ばれ、幕府への献上茶としてその名を知られておりました。 しかし、宇治茶をはじめとする緑茶が好まれるようになってからは、釜炒り茶は番茶として位置づけられ、地域の農家の自家用と一部の愛好家によって、その味が親しまれておりました。農薬や化学肥料など一切使うことなく、自然の中で栽培された山茶を手摘みし、鉄釜で炒り、手で揉み、むしろの上で天日干しするという手間のかかる製法は、昔のまま。その製法のためか、この釜炒り茶にはタンニンやカフェインが一般の緑茶よりも少なく、カテキンが多いという特徴もあり、お子様からお年寄りまで、日常茶としてお楽しみいただけます。 ■釜炒り茶の由来 その昔、空海が中国から伝えたと言われる釜炒り茶の製法。後に宇治で蒸す製法が考案され、色鮮やかな緑茶が主流となりましたが、木頭釜炒り茶は高級茶として珍重されておりました。近年、お茶の製造が機械化される中で、お茶を手で揉み天日で干す昔ながらの製法は珍しいものとなりましたが、木頭地域では今でも、各家庭で釜炒り茶を手作りする光景が見られます。すべて手作業だけに、手間もかかり、量も多く作れません。そのため、現在一般販売しているのはきとうむらだけという状況です。 自然栽培で育った茶葉に、太陽の香りがブレンドされた芳醇なお茶。緑茶に比べ柔らかいお茶ですので、乳幼児にも安心してお飲みいただけます。また、お茶としてお飲みいただくほかにも、お茶漬け、茶めし、梅茶、焼酎のお茶割りなどにも美味しくご愛用いただけます。 飲み方は、きゅうすの場合、適量のお茶を入れて熱いお湯を注ぎ、茶の葉が開くまで約10分程度待って、お飲みいただくと、香り高い釜炒り茶をお召しいただけます。また、木頭地方の飲み方は、沸騰したやかんに直接お茶の葉を入れ、火を止めてフタをして5分程度待って飲むのが美味しいと言われています。刺激の少ない番茶なので、冷めたお茶も美味しく、夏は冷やしてお飲みいただくと、さらにすがすがしい釜炒り茶をお楽しみいただけます。
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