四国の霊山、剣山の連峰に湧く清らかな水・・・・それが那賀川の源流です
◇豊かな水系、那賀川源流
 四国徳島の那賀川。吉野川に次ぐ水量を誇るこの源流に、ダムをやめた村、木頭があります。瞬間降雨量日本一の記録を持つ水の豊かなこの地には、手つかずの原生林が残され、地下水も豊富に湧き出ています。きとうむらでは、この豊かな水系を守るために、自然保護活動や、石けん運動などを通じ、那賀川の源流を保護する活動を行っています。

◇ダムを止めた村・木頭村
 木頭地域を流れる那賀川源流は、昔からアユやアメゴの釣場として有名で、多くの釣り客が訪れる地です。もちろん、地元の人たちも子どもの頃から川と親しみ、川遊びや魚釣りを楽しんでいます。そんな美しい川にダム建設計画が持ち上がったのは1971年。当初電力用として立てられたダム計画も、電力需要の低迷から農業、工業用水、治水などに計画は二転三転しました。木頭地域の下流には、すでにいくつものダムが建設され、川が昔の姿を残すことなく死んでいくのを目の当たりにした村人の多くは、無意味なダム建設計画に反対し続けました。その反対運動はなんと30年近くにわたり、平成1997年、ダム建設計画は一時休止の行政決定が下され、そして2000年10月に、正式にダム計画が中止となりました。日本ではじめて、住民の力でダムを止めた村、それが木頭村です。すでに村は合併し、現在では那賀町木頭となりましたが、今でも美しい川は村人の心を映し、清らかに流れています。


木頭のアメゴ・・・
雨の多い木頭では「雨子」と呼ぶそうだ


◇木頭杉丸太一本乗り
 雨の多いこの地には昔から杉が繁り、江戸時代には林業が盛んに行われるようになりました。そして、近年まで木頭杉として質の高い杉材を、那賀川の流れに乗せて町まで出荷していたそうです。そのころ、水量が多く、流れの速い那賀川を杉が流れる際に、途中で岩にひかからないよう、杉の丸太に乗り、流れに逆らわず杉材を動かす仕事が、当時の花形だったそうです。そんな昔の名残が、毎年8月に行われる『木頭杉一本乗り大会』です。水しぶきと歓声の中、山の男たちが川面に浮かべた杉の丸太に飛び乗り、川下りをしてバランスを競い合うその祭りには、全国各地から多くの参加者が訪れます。

村の人たちが守り通した極上の湧水

瞬間降雨量日本1位、年間降雨量日本2位の村
 木頭地域は瞬間降雨量日本一の記録を持ち、年間降雨量においても屋久島につぐ記録を持つほど雨が多く、水の豊かな地として有名です。そのため、木頭地域を源流とする那賀川には3つのダムが作られており、旧木頭村内にも1971年にダム建設計画が持ち上がりました。しかし、地域住民の根強い反対運動により、日本で始めて住民の力で国のダム建設がストップした村として注目を集めました。
 そんな地域の人々が守り抜いた川と美しい水は村民の誇りであり、その思いを多くの方々に伝えて行きたいと考え、きとうむらではこの地に湧き出る水をパッケージする製品を企画いたしました。

霊山から湧き出る名水
 四国の霊山「剣山」は、そのほとんどが石灰岩質でできており、硬く、もろく、割れやすいために山肌がとがっており、剣のようであることからその名がつけられたと言われています。そんな石灰岩質の岩肌の無数に入った小さな割れ目に浸透した水は、数十年という長い年月を経て地下水となり、自然のエネルギーを受けて山の頂上付近まで上り、湧水となります。その過程でミネラルを含み、水の分子構造が細かくなり、高いエネルギーを持った水として噴出するのです。そのためか、木頭の湧水は単においしいというだけでなく、体に優しい水として、四国だけでなく全国から求めて来られる方も少なくありません。

湧水をそのままパック詰め
 この『山の湧水』は、単なる商品として水を売るのではなく、パックによって水を運ぶ水道サービスの一つとして考えています。ダムによって作られた水道とは違うもう一つの水道。また、ダムに反対した村だからこそ、取水方法やパッケージにこだわることも、私たちの責任だと考えています。おいしい水を求めておられる方のために、山から湧き出た水を、国の定める基準の中で厳密に管理し、水のおいしさを損なわないように低温殺菌し、風味を守り長期保存が可能な環境負荷の少ないパッケージに充填してお届けする。その仕事に対していただく水道料金として、この水の価格があるのだと考えています。

昔ながらの湧水を、ご家庭にお届けしたい
 水の豊かな日本では、古くから井戸や湧水を生活水として使っていました。近代化の中で水道が普及すると同時に、地下水は産業のために使われるようになり、井戸が枯れる現象が各地で発生しています。地下水のくみ上げによる取水は、地下水の汚染をまねくだけでなく、地下水圧の低下による生態系への悪影響が懸念されます。そんな中で、きとうむらがこの製品を開発するに当たり、次の三つを大切にしようと考えました。@生態系に影響の少ない取水地である。Aポンプを使わず自然の噴出のみで取水する。B環境負荷の少ないパッケージを選ぶ。木頭地域では今でも豊富な湧水を生活水として利用しており、その水をはぐくむ森林を保護し、取水地を守りながら人々は暮らしています。そんな自慢の湧水を、みなさまのご家庭におすそ分けしたいという思いで、この製品を開発いたしました。

環境負荷の少ないケイ素セラミック蒸着紙パック
 この製品に使用しているケイ素セラミックを蒸着した新素材パッケージは、ガラスビンのように中身の風味を損なうことなく、さらに牛乳パックと同じようにリサイクルできるという優れた特徴を持っています。保存力が高く、通常のペットボトルのように酸素を通過させないので、中身が酸化することなく、長期保存が可能です。検査結果では、7年経った水も飲料水として適合していましたが、賞味期限は5年と設定させていただきました。倒れても割れず、転がらない紙パックだから、災害時にも安心です。もちろん、パッケージの紙資源は計画植林材を原料とし、資源循環を心がけています。


『木頭村 山の湧水』

1971年にダム建設計画が持ち上がったが、村民は目先のお金ではなく、川の美しさと自然の豊かさを選択したのです。

手つかずの原生林は、秋になるとさまざまな彩りを魅せる紅葉の山となります。その見事さは、四国随一と称されるほどです。

木頭地域の花、福寿草。物静かで可憐な花ですが、冬の厳しさを乗り越え、雪をくぐりぬけ春を伝える美しい花です。

山の湧水使用製品
柚子ドリンク


木頭柚子と奄美大島の粗製糖、そして木頭の湧水で作ったドリンク。美肌健康に、ビタミン補給に!
ゆずジンジャー


木頭柚子と奄美大島の粗製糖、そして国産生姜と木頭の湧水で作ったドリンク。ピリッと刺激的な大人の味。
シャーベット


契約栽培果汁と粗製糖、そして湧水で作った爽やかシャーベットです。